この街路灯は膳所藩内の東海道筋に立つ南端のガイド灯です。92番

 勢多口総門(南総門)は出島にあった

 東海道は瀬田・唐橋を通って、京阪石山線を横断して鳥居川の長徳寺まえの四つ辻を右折して石山の商店街を進み、JR東海道線のガードを潜ります。嘗てはガード手前で左に折れ、石山駅付近で右折した道でした。鳥居川から御殿ケ浜の旧膳所藩勢多口総門にかけての道筋は写真のように景色の良い所で「粟津の晴嵐」として近江八景の一つとなっていました。別保八軒町の南に、石山・鳥居川に対して勢多口総門(南総門)を設け、北は馬場と西ノ庄の両村の境に大津口総門(北の総門)を設け、その間が膳所藩七万石の城下町でした。このガイド灯より南へ百m下がると南総門の石碑が建っています。南総門は門と番所が小さな出島の中に有り、そこには兵田川が流れこんでいました。石碑の横には平成の初めまで総門の番所が建っていました。ここで敵の進入を阻んだことだと思います。この番所の裏あたりに藩主本多公の別邸、瓦ケ浜御殿がありました。現在は本多神社となっ

ており膳所藩資料館があります。

昭和五十年五月発行 立葵会役員 竹内将人氏編集 城下町膳所の今昔より

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