東海道筋です。ガイド灯23番
降る雪や 明治は遠くなりにけり「中村草田男」
・懐かしさに浸りつつ、思いはふと、現実に戻る。明治から大正を経て昭和へ、時の流れはあらがい難く。明治の良き時代は、遠くなってしまった。
このガイド灯の少し南側に小路があります。その小路を「眼の図子」といいます。「ガイド灯22番で解説」その小路の南一帯は、嘗て電々公社の社員寮でした。ここには全国電話回線網の重要ポイントである中継所がありました。その街道側の門の向かい、やや北にある現中村氏宅は、維新後まもなく京都から来た米穀商で地主の屋号塩定{中村定右衛門で屋敷の左小路の右側には、いかにも「降る雪や 明治は遠くになりにけり」}の感ひとしおの煉瓦つくりの高塀と、高い門が有ります。その小路の中程、中村家の裏の貸駐車場内には、埋め立てた城の内堀の石垣跡が僅かに頭を出しています。その場内に藩政時代には巨大な
二階建て両脇袖付き米蔵があって、その昔の思いに馳せると、蔵米を搬出しまた搬入していた人夫たちの掛け声や、ざわめきが聞こえて来るような気がします。